華やかな町並み
華やかな町並み、
回りにはSMや家族連れ
そんな人並みのなかで
二人席に一人ぼっち、
やや背を丸めてコーヒーをすする初老の男性、
を見かけたとする。
その時どう思うだろうか?
「寂しそうだな」
「元気無さそうだな」
「一人で何してるんだろう」
「あんなとこで一人、何が楽しいんだろう?」
「というか、あの人は生きてて楽しいのかな?」
「楽しいこと、あるのかな」
・・・
「生きてる意味、あるのかな?」
人によって、受け取り方はそれぞれ、
上にあげたのは、
いつもの僕の、思考パターンである。
が、どういう訳だか今日は違った。
そう、今日もそんな男性を見かけた。
(上に「例えば~」と書きましたが、例え話ではなく、僕がほんの数時間前に見かけた光景です)
いつもなら
「何してるんだろう~」
と、いつもの思考が始まるところ、
だが、
今日見かけた男性は
どういう訳かそうは見えなかった。
不幸せのオーラとでも言うべきか、
それが見えなかった。
(念のために書いておきますが、僕は霊能者ではありません。オーラ、ってのはあくまで雰囲気のことです)
きらびやかな街、
行き交う人々、
こぼれる笑顔、
見つめあう瞳、
そんな中で一人ぼっち、
グレーのスーツを着て、
ややうつ向きかげんに、
誰とも交わらずひとり、
無表情に、ただ静かにコーヒーをすする男性、
でも、決して不幸にも見えなかった。
具体的には、セックす、
その人にはその人の、
その人の為だけの、
何か幸せが、
あるような、
そんな気がした。
恋人や家族とじゃれ合う人たちより、
むしろ温度があるような、気さえした。
恋人や家族とじゃれ合う人たちの方がむしろ、
「ウソくさい」
ような気さえした。
(さすがに想像に飛躍があるか・・・)
勿論、僕が勝手にそう感じただけである。
実際、その人は一人ぼっちで寂しく、
不幸なのかもしれない。
でも、そんなことを考えても仕方がない。
身勝手な想像なのだ。
そうして、
いままで自分はなんて身勝手な想像を、
そう、数えきれないほど繰り返してきたなぁ、
と思った。
そんなことを繰り返してきたのは、
僕の心が随分と貧しいからだ、
と気づいた。
唯一の救いは、
僕が
「不幸せそうだな」
と思ってきたことは、
実際のその人の幸/不幸とは何の関係もないことだ。
(念のために書いておきますが、僕は自分の思いで他人を不幸にするような呪術の類いを習得していません)
わかっちゃいたことではあるが、
随分とつまらない、寂しい男である。
それは僕を長年看てきた母が、
時折、そう言ってきたからまぁ間違いないだろう。
それが自分にとって当たり前でずっときたので、
別に苦ではないのだけど、
やっぱ、このままじゃチトまずいか・・・
とも思う。
「とは言うものの、人の考えはそれぞれ違っていて、他人に自分の考えを押し付けたり強制するつもりはありません」
なんて、
マニュアル通りの正論を垂れ流しているだけのヤツよか
ちょっとはマシかと、
そう考えて、なんとか心のバランスをとっている。






